泣いてすがっても、もう会わないと捨てられたあと、
私は彼が読める場所に日記を書いた。
毎日毎日、辛くて吐き出す場所が欲しかった。
あとは、貯まった思いを、伝えきれなかった思いを彼に伝えたかった。
正直に言うと、思いが通じてほしいとも思っていた。
彼を取り戻したかった。
でも未練がましく思いをつづっている時は、彼に迷惑かなとか、罪の意識から読んでるのかなって思ったりもした。
でも、、
彼から連絡が来た。
行きつけの店でランチしてるから、と。
誘うでもなく、そこにいるよ的な、微妙なものだったけど
もう一度会えることが嬉しくて。
けど、それが最後なら行かない方がいいとも思った。
この2週間、もう会えないと思って頑張ってきたのにまた振出しに戻る。
何のために今度会うのか、意図が分からなかった。
会いたい気持ちが勝ってしまって、待ち合わせに向かう。
最後かもしれないから、メイクもしてもらった。
綺麗な私でいたかった。
ランチではだんだんと打ち解けて、楽しく過ごせた。
思い出話に泣きそうになりトイレに立った。涙が止まらなかった。
彼との距離が近い。もう反則。
肩を抱かれそうな距離感。
モテるよねとか、
言わなくていいなら言わなかったのに(好きな人が出来たと)とか←これはひどい発言なんだけど、奥さんにするみたいに本当に私が大事なら隠し通してというようなことを書いたので。
また来よう、と言ったり、これが最後じゃないのかなという意思表示をされた。
私はそこに喜びを感じてしまっていた。
また会える。これからも?
でもね、今までと同じじゃない、彼には彼女がいる。しかも私を捨てて取った女性が。
全然よくない状況なのに、会いたい一心で嬉しい気持ちが勝ってた。
もうどんな状況でも彼と会っていたいと思うほど彼が好きだった。
お腹いっぱいで、店を出る。
どうする?(帰る?)
という会話の中、私はカラオケに誘った。
私は、どこかでまたいい雰囲気になることを期待してた。
それが、その時だけの欲望だなんて思わずに。
好きな気持ちが復活することを願って。
歌を歌ってもらって、別れの曲に大泣きしてしまった。
歌の合間に彼は私にキスをしようとした。
私は拒んだ。何の言葉もなく挨拶みたいにキスをするけど、私のキスはそうじゃないから。
やめて。
なんで?
離れがたくなるから。
離れなければいい
そんなむごいことを言われて。
女と別れる気もないくせに
何度も何度もキスされて、手放したくないと言われて。
でも彼女と別れられないと言われて。
私はもうぐちゃぐちゃだった。
それでも優しい懐かしいキスがしたくて
されるたびに喜んだ。
こんな最悪なキスはないのに。
私のことが好きだと彼女に言って。
せめて、私とも付き合うって彼女に話して。
自分の価値観が崩壊するそんな気持ちにまでなって彼と一緒にいることを選んだ。
ちゃんと伝える
そう約束してくれて、何度も何度も激しくキスをした。